ミックスボイスの練習に適した曲はこれ!判断基準も合わせて解説していきます!

ミックスボイスの練習にはどんな曲が適していると思いますか?

ミックスボイスの特徴を知っていけば、自ずと練習に適した曲もわかるようになっていきます!

今回はどの曲がミックスボイスの練習に
適しているか判断する基準をお伝えした上で、具体的に曲を紹介していきます!

それではいってみましょう!

ミックスボイスの練習に適しているかどうかの
判断基準①【音域】

実はミックスボイスが出せる音域は限られています。

ミックスボイスを習得すれば高音が無限に出るというわけではないのです。

ミックスボイスは「声帯筋」という声帯の縁に付いている筋肉をメインに使って声帯を閉鎖する声なのですが、この声帯筋の稼働範囲はB3〜B4までと言われています。

B3〜B4の範囲を超えると声帯筋の力だけでは声帯を閉鎖し切れなくなるのですが、他の筋肉のサポートがあればもう少し広い範囲で声帯閉鎖を維持することができるので、実際のミックスボイスの範囲はB3〜B4よりもう少し広くなります。

ミックスボイスの音域が限られているということは、練習に使う曲もその範囲に大体収まっている曲を選ばないといけません。

そのため、ミックスボイスの練習曲を選ぶ上でまず一番最初に気にしなければいけないのは「音域」です。

音域に関しては
https://deco-music.jp/voice-training/highvoice/blog/5699/
↑こちらのブログでも詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

ミックスボイスの練習に適した曲
①Mrs.GREEN APPLE「StaRt」

この曲のサビの「幸せな時間を」の部分の音程は「シドレミファソラシ」になっていて、ちょうどB3〜B4の範囲を一気に駆け上がるメロディーになっています。

先程お伝えした声帯筋の稼働範囲と全く同じですよね。

この範囲を全てミックスボイスで発声できる人なら、B3〜B4までを音質が変わることなくスムーズに上がっていけるのですが、ミックスボイスが使える範囲が限られていたり、そもそもミックスボイスが使えなかったりすると、B3〜B4のどこかで音質が変わってしまいます。

ミックスボイスが使いこなせているかテストするという意味では、この曲は最適と言えるでしょう。

ミックスボイスの練習に適しているかどうかの
判断基準②
【中〜高音域を優しく出す部分があるかどうか】

これもミックスボイスの大きな特徴の一つです。ミックスボイスだとD4・E4・F4辺りの中高音を優しいニュアンスで出すことができます。

地声しか使えない人の場合、この辺りの音程は大きなボリュームでしか出せないはずです。

https://deco-music.jp/8909/
↑こちらのコラムにも書いてあるのですが、声帯運動の特徴として
・大きい声になればなるほど甲状披裂筋が優位に働きやすく
・小さい声になればなるほど声帯筋が優位に働きやすい

という法則があるので、今回紹介する曲以外にも、全体的に優しい印象で歌われている曲などはミックスボイスの練習に持ってこいです。

ミックスボイスの練習に適した曲
②TOOBOE「錠剤」

テレビアニメ「チェンソーマン」の第4話のエンディングテーマになったことでも話題になった曲です。

「赤く溶け込んだ錠剤」の部分は
G4・D4・B3・A3・B3・D4という音程になっているのですが、ポイントはD4の部分です。

地声の最高音はG4と言われているので、最初のG4の部分はミックスボイスが使えなくても、地声を張り上げればなんとか出すことは可能です。

問題はその後なのですが、G4に引き続きD4も地声だとなかなかに高い音程なので、本来なら張り上げに近い形で出したくなるところです。

しかし、この曲はテンポが速い上に「溶け」の部分が張り上げたような発声だと曲のニュアンスが崩れてしまうので、地声だとD4の部分がかなり出しづらくなります。

https://deco-music.jp/9239/
↑こちらのコラムでも紹介した
藤井風さんの「きらり」も、錠剤と同じように
「高音からD4・E4・F4の地声に着地する」という構成の曲です。

この構成の曲は探せばいくらでもあると思うので、見つけたらチャレンジしてみても良いかもしれません。

ミックボイスの出し方

先程紹介したコラムhttps://deco-music.jp/8909/でミックスボイスの出し方は詳しく解説しているのですが、ここではまた違った観点から出し方について触れておきたいと思います。

中・高音域の地声を優しく出すというのは、言い換えれば「喚声点」という地声と裏声がひっくり返ってしまうポイントを無くすということにもなります。

喚声点を無くすための練習にはリップロールやハミングといった、いわゆる「セミオクルーディットトレーニング」が有名ですが、ハミングやリップロールを使って喚声点をうまく越えられた時の体感は「声が後ろに行った」という感覚になることが多いです。

声そのものが喉の奥の方へ「籠る」と、スムーズに喚声点を越えれられるイメージです。

つまり、E4辺りの地声を喉の奥の方へ籠らせられれば良いわけなのですが、いきなり籠らせてと言われてもできる方は少ないと思います。

そこで、地声を籠らせようとする時の指標として、吸気性裏声を紹介します。

吸気性裏声を参考に地声を籠らせよう

吸気性裏声のやり方は先程のコラムhttps://deco-music.jp/8909/に書いてあるので割愛します。

ものすごく難しいことを要求することになってしまうのですが、E4の高さでこの吸気性裏声を出してみて欲しいのです。

これだけでもかなり練習しないとできるようにならないのですが、E4の高さの吸気性裏声がそれなりにしっかり出せるようになると、喉の奥の方を中心に首全体が響いて太い音が鳴るのがわかるかと思います。

E4の地声を籠らせようとする時に目指すのはこの吸気性裏声を出している時に響く場所です。

吸気性裏声が鳴っている時の音の発信源は、人によって感じ方に差はあれど「喉の奥の方」なのは間違いないと思います。

そこに向かってE4の地声を籠らせようとするのです。

「喉の奥の方」という文字情報だけよりも「吸気性裏声で響いている場所」の方が、感覚的な情報も付加されるので若干地声を籠らせやすいと思います。
(それでもかなり難しいことに変わりはないのですが汗)

これがうまくできると、従来の籠らせていない地声と比べてかなりソフトな音質でE4が出せていることに気がつくと思います。

このソフトな音質で若干籠った感じの地声がミックスボイスです。

(ミックスボイス=籠った声というわけではなく、安定して出せるようになれば音色は後から調整可能なのでご安心ください。)

この声には
・曲の雰囲気を壊すことがない
・裏声とスムーズに繋がれる
という大きなメリットがあるので、先程の「錠剤」や
https://deco-music.jp/9239/←こちらで紹介した「きらり」などの曲も上手に歌いこなすことができます。

難易度は高いですが、その分メリットも大きいので、是非チャレンジしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ミックスボイスの練習にはどのような曲が適しているのかが少しでもわかっていただけたら幸いです。

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今回のコラムが気になった方は是非無料体験レッスンにお越しください!
https://deco-music.jp/freelesson/

それでは!