【これがミックスボイスの全て】出し方から練習方法や真似するべき歌手まで完全網羅

この記事の執筆者

石川彰貴先生のプロフィール






歌は好きだけど、高い声が出せなくて歌が楽しめないという方はたくさんいらっしゃると思います。

特に最近はキーの高い曲が流行っているので、余計にそう感じることも多いのではないでしょうか。

今回は地声で高い声を出す技術である「ミックスボイス」について解説していきます。

言葉自体を聞いたことはあっても、中身の部分はまだまだ謎だらけなミックスボイスを、一緒に解き明かしていきましょう。




ミックスボイスとは


ミックスボイスとは、いわば「もう一つの地声」です。

裏声ではなく地声に分類される声です。




もしミックスボイスが裏声に分類される声なら、歌の中で地声と裏声を使い分ける必要が出てきてしまいます。

それだとテンポの早い曲や、音程の上下が激しい曲などは難し過ぎて歌えないということになりかねないですよね。




ミックスボイスは間違いなく体感・音質共に地声に分類されます。


それでは、具体的に地声とどのような違いがあるのでしょうか。


(ミックスボイスと裏声の違いが知りたい方は
https://deco-music.jp/9107/
こちらをチェックしてください)




ミックスボイスと地声の違い


いわゆる地声・チェストボイスと呼ばれる声は以下のような特徴を持っています。




①首が響くので、太くて重い音質になる。

②ボリュームを上げないと音程が上げられないので、高音域を小さなボリュームで出せない。

③裏声へ移行しようとするとひっくり返る。

④最高音が男性G4、女性B4と決まっている。




一方でミックスボイスの特徴は

①鼻根(眉間のすぐ下)が響き、首は響かないため、軽くて細い音質になる。

②ボリュームを上げなくても音程を上げられるため、高音域を小さなボリュームで出せる。

③裏声へひっくり返ることなく移行することができる。

④最高音は男性C5、女性E5辺りまで拡張される。

(音域に関しては
https://deco-music.jp/voice-training/highvoice/blog/5699/
↑こちらにも詳しく書いてあります)




見比べてみると違いが一目瞭然ですよね。

これだけ違いがあれば、地声とは違う声として区別されるのも頷けます。




ミックスボイスの出し方


ここからは具体的にミックスボイスの出し方に関して話していきます。




実はミックスボイスは高音域をボリューム小さく出そうとするだけで出すことができます。




先程の特徴の所にも書いたように地声は高音域でボリュームを小さくできない声なので、裏を返せば高音域でボリュームを小さくできればミックスボイスが出せているという計算になるわけです。

「エスクラマツィオーネ」という練習で、高音域を小さく出すことにチャレンジしてみましょう。




やり方を説明します。
まず男性はE4、女性はG4という高さの地声を、自分が出せる最大のボリュームでロングトーンしてください。

E4・G4はいずれもなかなかに高い音なので、それを最大のボリュームで出せば必然的に出力も最大に近くなるはずです。

出せたら、音程は変えずに出力だけをゆっくり落としていってください。

最初が90%の出力だとしたら
80%70%60%……

という形で10%くらいの出力になるまで落としていきます。




ポイントをいくつかお伝えします。

・音程は絶対に変えてはいけません。

・最大出力から10%の出力にするまでをロングトーンの中で行います。息継ぎしてはいけません。

・出力を落としていくので、音量も自然と落ちていきます。

・30%くらいのところまで出力が落とせたら自然と裏声になるはずなので、ひっくり返らないように裏声にしてしまって大丈夫です。


実際にやってみましょう。




この練習の成功条件は2つです。

①声がひっくり返ったり、急に出力が落ちてしまったりすることなく裏声になるところまで出力が落とせる。

②地声→ミックスボイス→裏声の3種類の発声が感じ取れる。
(70%か60%くらいのところまで出力を落とした時に、今まで首の辺りで響いていた感覚が鼻の辺りへ移動するはずです)




この練習はとても難しいので

・音量を小さくしようとしたらすぐにひっくり返ってしまったり
・ミックスボイスの部分が揺れてしまって安定しなかったり
・出力を下げたのに裏声にならなかったり
・地声と裏声の2種類しか感じられなかったり・・・etc

などなど、色々な理由でうまくいかないことがほとんどだと思います。




逆にこの練習ができれば、少なくともミックスボイスの特徴の②と③はクリアーされることになるので、ミックスボイスが使えていると言っても差し支え無い状態になります。




それでは、このエスクラマツィオーネを成功させてミックスボイスが出せるようになるためのトレーニング方法をお伝えしていきます。




ミックスボイスを出すためのトレーニング方法


これはもう一つしか無いと言っても過言ではありません。




ミックスボイスを出すためのトレーニングとしてやらなければいけないことは「裏声の低音」の練習です。




これをやることで裏声と地声との間にあるギャップが埋まっていき、エスクラマツィオーネがだんだんひっくり返りづらくなっていきます。




裏声であればなんでも良いというわけではなく、後方に引き込むような体感の裏声「頭声」で音程を下げていくというトレーニングが必要です。

裏声を出していただいた時に、なんとなく前に出している体感があればそれは頭声にはなっていません。

「息を吐いているのに、吸い込みながら出しているような体感」とも言われる頭声は、苦手な方は出すのにかなり苦労される印象です。




そこで、頭声が1番出やすい発声方法である「吸気性裏声」を試してみましょう。




吸気性裏声のやり方


吸気性裏声とは、息を吸いながら裏声を出すということです。

そもそも息を吸いながら声を出すこと自体普段やらない動作なのでなかなか難しいのですが、これができるといきなり最高の音質の頭声が出ることがよくあります。

まずはこの吸気性裏声を練習して、頭声の音質を理解するところから始めましょう。




早速やり方の説明をしていきます。
まずはびっくりした時に「ハッ」と声が出てしまう時を思い出してください。

実はこの時、息を吸いながら裏声が出ている可能性が高いのです。

息を吸いながら声を出すことに慣れてきたら、声帯を閉じていって息漏れを減らし、響きのある頭声を出せる状態にしていきます。

声帯を閉じていくには「エッジボイス」が効果的です。




一度息を完全に止めてみて、止めた状態を維持したまま無理矢理吸おうとしてみてください。

「本気で吸おうとすればちょっとだけ息が吸える」という状態がうまく作れると、ガラガラとしたノイジーな音が出るかと思います。



これが吸いのエッジボイスです。



息を吸おうとする時に、息を止めている力を緩めてしまうと一気に息が入ってきてしまうので、それだけ気をつけてください。

あくまで息を止めたまま吸おうとするのです。

吸いのエッジボイスをいつでも出せるくらい慣れてきたら、いよいよ裏声にしていきます。

まず吸いのエッジをボイスを出して、そこから少しだけ閉鎖感を緩めて裏声にひっくり返すようなイメージです。



うまくできると
①明らかに後方に向かって発声している体感
②柔らかく丸い音質
③喉締めたようなつらさが全くない
④周りの音がかき消されるくらいの豊かな響き
⑤とても楽に10秒以上ロングトーンができる



この5つの特徴を兼ね備えた素晴らしい音質の頭声が出せることがあります。




なかなかうまくいかない方は、E5♭辺りの音程を狙ってみてください。




G4・F4辺りの音程だと響きがなくロングトーンもしづらい吸気性裏声が出てしまう危険性がありますが、E5♭辺りが綺麗に出れば大体音質も素晴らしいことが多いです。




頭声のまま音程を下げていく


吸気性裏声はB3♭〜B5の範囲で出すことが可能なので、そこを目指して音程を上げたり下げたりしてみてください。




「とりあえずミックスボイスを出したい!」という方は低音

「ミックスボイスは出せるけど音域が狭い」という方は高音へどんどんトライしていきましょう。




1音ずつ吸気性裏声を限界までロングトーンして、
終わったら次の音程でロングトーンをするということを繰り返していけばOKです。

吸気性裏声に慣れて頭声の音質がわかってきたら、同じ声を息を吐いても出せるようにしていきます。

吐きの頭声の場合G3〜B5の範囲で出すことが可能なので、吸いの時と同じようにロングトーンを活用しながら音程を移動していって音域を拡大してください。

B3くらいまで頭声が下げられるようになると、だんだん成果が現れてきます。
そこまで地道にトレーニングしていってください。




ミックスボイスで歌っている歌手


ここからは実際にミックスボイスを使っている歌手を紹介していきます。

基礎的な練習に疲れて、少し発展的な練習をしたい気分の時はぜひ真似してみてください。

真似するだけで意外と簡単にミックスボイスの感覚が掴めてしまうかもしれません。



①Alexandros 川上洋平さん



先程出てきたミックスボイスの特徴に基づいて選考させていただきました。

軽くて細めな印象の声、そして地声では絶対に出ないであろう圧倒的高音。

最近ではミックスボイスを地声かと思う程太く響かせられる歌手も増えてきた中で、川上さんのお声は比較的「ミックスボイスらしい」声質をしています。

この声をモノマネしてみるだけでも高音が出やすくなるかもしれません。



②UNISON SQUARE GARDEN 斎藤宏介さん



この方も川上さんと同様の選考理由です。

高音域を優しく発声することも多く、間違いなくミックスボイスの使い手と言えるでしょう。



宇多田ヒカルさん



ラストは宇多田ヒカルさん。
高音域を優しく発声する代表選手として選出させていただきました。

真似するのは非常に難しいですが、やってみる価値大いにアリです。

(ミックスボイスを使っている歌手について詳しく知りたい方は
https://deco-music.jp/9239/
↑こちらもチェックしてみて下さい)




ミックスボイスの練習曲


ミックスボイスが出せるようになってきたら、いよいよ実際に歌の中で練習していく段階に入ります。


練習曲はミックスボイスの特徴に合致している必要があるので
 

・軽くて細い声質がマッチする
・高音域を優しく歌う箇所がある
・裏声とミックスボイスを行き来する箇所がある
・地声では出せない高音が出てくる


この4点を基準に練習曲を選んでみましょう。




練習に適した曲は
https://deco-music.jp/9426/
↑こちらで紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。




まとめ

いかがでしたでしょうか。

ミックスボイスがどのような声なのか、どうすれば出せるようになるかがなんとなくイメージできたのではないかと思います。

練習で躓いたり、疑問点があればぜひ
DECO MUSIC SCHOOLの無料体験レッスンへお越しください。
https://deco-music.jp/freelesson/



それでは!!