【最近の若者は知らない?】昔のバンドは何故評価されるのか【クラシックロック】
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こんにちは Deco Music School 講師の齋藤駿平です。
突然ですが、皆さん好きなアーティストはいますか?
それは、最近勢いのあるアーティスト?
それとも、青春時代を共に過ごしたアーティスト?
それとも、自分が生まれる前に流行っていたアーティストでしょうか?
トレンドの曲であれば、そのアーティストに詳しくなくても、テレビやSNSで使用されることがあるため、どこかで聴いたことがある曲として自然と認知していると思います。
では、反対に一昔前の曲の場合はどうでしょうか。
Tik Tokやテレビ番組で昭和歌謡曲が多少フォーカスされることがあるかと思いますが、それは全体のほんの一部に過ぎません。
自分は、元々自分の世代から離れた曲というものに抵抗がありましたが、一度その世界を知ると、そこから得られる気付きの多さに驚かされてばかりです。
今回は、『クラシックロック』と呼ばれるジャンルを題材に自分の世代から離れた楽曲の素晴らしさを紹介していきます。
好きなアーティストの源流
まず、音楽ジャンルとはクラシック、ジャズ、ロック、ポップス、ヒッポホップ、R&B、エレクトロニックなど特性や様式によって分類された区分に分けられています。
クラシックの中でも、バロック、古典派、ロマン派、近代、現代などに分類することができ、ロックの場合、ロックンロール、ブルースロック、ハードロック、ガレージロック、サイケデリックロック、プログレッシブロック、パンクロック、オルタナティブロックなど、非常に幅広い音楽ジャンルであるということが分かります。
そして、今回のテーマであるクラシックロックですが、明確な定義はなく大体1960年〜1990年代を指すことが多いでしょう。
では、あなたの好きなアーティストは、どんなアーティストに影響を受けていると思いますか?
目的のアーティストと同じジャンルのものや、そのジャンルの源流を遡っていくことで、そのアーティストがどのようなアーティストの影響を受けているのかが分かるはずです。
こうすることで、好きな音楽の幅が増えるため、音楽をより一層楽しむことができます。
Apple Musicでは、アーティスト側から『影響を受けた楽曲』という項目でプレイリストを配信していることもあるため、そこから「このアーティストは当時この曲を聴いてミュージシャンを目指そうと思ったのかな」だったり、「このテクニックはこの年代から出てきたのか」だったり、「この曲に影響されて新しいジャンルを確立したのかな」という考察や想像、歴史を学ぶことができます。
また、アーティストの取材記事などでも、そういった情報から今まで聴いてこなかった楽曲と向き合うことで、そのアーティストに対してより親身になれると思います。
特に音楽活動を行なっている方には、おすすめですので是非取り入れて今後の糧にしてみてください。
年齢も言葉の壁も超えた音楽仲間
続いて、自分の世代から離れた楽曲と触れることで、年齢関係なく音楽を語り合える仲間が増えるという魅力があります。
自分は、ハードロックやヘヴィメタルを好んでよく聴いているのですが、その一番のきっかけになったのは学生時代の恩師の影響にあります。
ギターレッスンを進めていく中で、よりテクニカルな面を強化したいという思いから80年代の曲を提案され、そこから本格的にハードロックやヘヴィメタルの魅力に取り憑かれていきました。
現在では、イントロやギターソロがスキップされてしまう中、1分以上のギターソロが当たり前のように演奏され、卓越したテクニックを持っているギターヒーローと呼ばれる存在を目の当たりにした衝撃は今でも忘れられません。
このような音楽の話題は同世代では中々難しく、自然と年上の方と話す機会が増えてきたと感じます。
初対面の方と好きなアーティストの話題になる時、クラシックロックという枠組みのミュージシャンを挙げると「若いのにすごい詳しいね!」、「若い子が我々世代の音楽を知ってくれて嬉しい」とのお言葉をいただくことが多々あります。
幅広い音楽を知ると会話のネタにも繋がり、新たなコミュニティを築くこともできたり、結果的に新しいお仕事をいただけたり、何てこともありました。
年配の方からは、当時の音楽シーンのリアルな体験を聞くことが非常に面白く、自分はある種、取材をしているような気分になっています。
また、こういった楽曲を演奏すると海外の方からの反応も良く、チャットで交流をするといったこともありました。
バンドTシャツ
若者の間では、カジュアルトレンドの一環としてバンドTシャツが流行しています。
特にクラシックロックのTシャツがメインとされており、『Metallica』『NIRVANA』『AC/DC』『THE BEATLES』『The Rolling Stones』『KISS』『IRON MAIDEN』『Slipknot』『DEF LEPPARD』などバンドや曲を知らなくてもロゴを見たことあるという方は多いのではないのでしょうか。
一般的にバンドTシャツは、ライブの物販や古着屋さんで購入することができますが、GUやZOZOTOWNでもヴィンテージ加工をされたバンドTシャツが発売されているほど、需要が高まってきているアイテムです。
自分も行きつけの古着屋さんがあり、そこでバンドTシャツを購入することが多いのですが、古着屋さん最大の楽しみは、一期一会の出会いというところにあります。
基本的に一点ものなので、次に訪れた時には売り切れてるかもしれないという緊張感や毎回異なるラインナップのものが入荷されるため、宝探しのような感覚で楽しむことができます。
お目当てのバンドを探すのも良し、バンドを知らなくてもデザインで購入してみるもよし、購入してから曲を聴いてみても良し、音楽好きの店員さんに話しかけてみるもよしと、他のアパレル店では味わえないショッピングになります。
自分の場合、現場や職場にバンドTシャツを着ていくと、「そのTシャツってもしかしてOOOですか?」と反応をもらえたりするので、正直それが嬉しかったりもします。
Guns N’ RosesのギタリストSlash氏は、よくステージで他のバンドTシャツ(AC/DC)、(The Rolling Stones)を着用している姿を見かけます。
「自分がリスペクトしているミュージシャンはこれだ!」という意思表示にもなるアイテムですね。
もう会えないかもしれない
クラッシクロックバンドと呼ばれるミュージシャン達はベテラン勢であり、引退、解散、死期なども当然間近に迫ってきているのが現実です。
そして先月、三代ハードロックとして名高いBlack Sabathがバーミンガムでラストコンサート行い50年以上の歴史に幕を閉じました。
同月、そのフロントマンであるオジー・オズボーン氏が76歳で逝去したことが報道されました。
オジー・オズボーン氏は、ヘヴィメタルの創始者として知られており、ロックシーンに多大な影響を与えたミュージシャンの一人です。
このニュースはかなりショッキングでした。
つい最近まで、ステージでパフォーマンスしている姿をSNSで見ていて、死に至るような弱々しさは感じられず、76歳にして堂々とステージをやり遂げていたため、心の準備ができずに一つの歴史に区切りがついてしまったような感覚があったのです。
この記事を執筆するに至った本当の経緯も彼の死がきっかけであり、偉大な歴史を紡いでいかなければならないという想いとリスペクトからです。
また、ヘヴィメタルの源流である彼が亡くなった際には、その影響を受けた親交の深いミュージシャン達 (Tonny Iommi、Geexer Butler、Bill Ward、Zakk Wylde、Gus G、Brian May、Robert Plant、Kiss、Whitesnake、Aerosmith、Slash、Sammy Hager 、Joe Satriani、Wolfgang Van Halen、Motley Crue、Pantera、Korn、Foo Fighters、Evanescence)らから追悼のコメントが寄せられました。
オジーがいかにどれだけの影響を与えたのか、このミュージシャン達を見るだけで多大なものであると分かるかと思います。
そして、オジーの功績、人望、愛があったからこそ、普段は相容れないバンドだったとしても、彼を囲み一つの画角に写っているという夢のような写真が撮影されました。
先人からのDNAを受け継ぎ、自分の感性や想いを乗せていく、そこに独自の進化を探究し、新しい音楽は形付けられ、また次の世代へ渡っていく、これこそまさしく一つの芸術の形ではないかと今回の出来事を踏まえて考えるようになりました。
これからも変わらず、温故知新の精神で先人達への敬意を忘れず音楽活動へ励みたいと思います。
今ある音楽やアーティストの意図を深く感じるためにも、一度歴史を遡って、または追いかけてみてはいかがでしょうか。
次に古着屋さんへ訪れる際、僕はBlack Sabath & オジー・オズボーンのTシャツを探していることでしょう。
R.I.P Ozzy Osbourne