【相対音感】耳コピをしても音感は鍛えられない! 耳コピの正しい練習方法を解説【コード】【メロディ】

こんにちは Deco Music School、ギター & DTM講師の齋藤駿平です。

楽譜を使わず、楽曲を聴いただけで楽器が演奏できたり、使われているコードを導けるようになるスキル『耳コピ』憧れますよね。

今回は、音楽初心者の方が耳コピをできるようになるまでの過程を紹介していきます。

音楽の知識が全くない方でも分かりやすいプロセスで説明していきますので、耳コピに興味のある方は、是非参考にしてみてください。

相対音感を鍛えよう

正確な耳コピを実現するにあたって最も重要なのは相対音感です。

相対音感とは、音と音との距離感を把握することです。

例に挙げると

ある一音を基準値として設定し、それを鳴らします。

次に目的の音を鳴らし、基準値の音から目的の音までどれくらいの距離感であるかということを測って、目的の音を導くという方法が相対音感を使っての耳コピになります。

また、実用的な場面の一つにギターのチューニングがあります。

チューニングをする際にチューナーを使用せず、耳を頼りにチューニングをするといった場合です。

ピッチが安定している音『A』の音を鳴らし、その音を基準として、チューニングをしていくのです。

さて、相対音感の概要何となく理解できましたでしょうか。

反対に絶対音感は、聴いた音が音名で聴こえるといった非常に優れた能力ですが、幼少期に音楽教育を受けていなければ、習得することができません。

しかし、相対音感は年齢関係なくトレーニングや経験を積めば、誰でも手に入れることができます。

そのため、耳コピを実現するには優れた相対音感が必要不可欠になってきます。

ちなみに「音感が優れている人ほど、良い曲を書ける」といったことも言われています。

耳コピで音感は鍛えられない

では、どのように相対音感は鍛えていけば良いのでしょうか。

よくある間違いとしては、耳コピをすれば音感が鍛えられて精度が良くなるといったものです。

正直この方法では、良い結果につながるとはいえません。

相対音感を鍛えるために有効な手段としては、楽譜を使用しての楽器演奏や『移動ド』などの音感トレーニング、ピアノで音階を鳴らし、その音を追う発声練習やなどが挙げられます。

ここで重要なのは、ただ目的の音を追ってそれを鳴らせるようになるだけではなく、自分が鳴らしたい音、あるいは鳴らした音は何の音なのか、音名と音の響きや音のキャラクターを紐付けできるようにしなければならないのです。

これを怠ってしまうと、正解の音に辿り着けたとしても時間が掛かりすぎてしまったり、その場しのぎの処理となってしまい、とても実用的とはいえません。

そのため、例えば楽器を弾いて「Cコードはこういう響きがするんだ」などという体験を重ねて、音名と響きをリンクさせていくことが重要になってきます。

つまり、無闇矢鱈に音を探すのではなく、様々な音階や和音に触れて、耳コピを行うための手札を増やしていくことが重要な訳です。

このピースが揃うことで正確で実用的な耳コピへと近付くことができます。

よくある間違いとしては、音感を鍛える目的として楽譜のない曲をコピーするといったことです。

先ほども挙げたように、音名と響きなどを紐づけることが重要になります。

そのため、実際になっている音と自分が鳴らしている音の答え合わせができる状態でなければならないのです。

この答え合わせができなければ、自分の鳴らしている音が正しいのか、何の音なのかの判別ができなくなってしまうため、かなり効果が薄くなってしまいます。

まずは、様々なメロディやコードに触れて音の響きをインプットしていきましょう。

楽譜を積極的に使おう

よくギターでは、耳コピで弾けるようになりなさいという独自の風潮があります。

こちらもまず、積極的に楽譜やバンドスコアを活用して演奏技術や音感を鍛えていきましょう。

一方、僕のDTMレッスンではオリジナル曲を目標とした場合、楽曲のコピーから取り組んで曲の構造を学んでいただくことがほとんどです。

そうなると耳コピをしなくてはいけないのかと思われがちですが、そうではありません。

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この場合でも、楽譜や演奏動画を見て各パートの打ち込みを始めてもらいたいのです。

最初は音感を鍛えることを目的とせず、正しい音の認識や各楽器の奏法の特徴を視覚的に確認した後に、その響きを聴いて視覚と聴覚での認識をリンクさせていくことを目的としています。

また、楽譜に書かれているコード進行を分析することで、楽曲全体の流れやヒットした楽曲の共通点、よく使われるコード進行などを探ることができ、自分の引き出しを増やすことができます。

このように楽曲をコピーすることで、オリジナル曲を制作する時、様々な表現が可能になります。

【上級者向け】音楽理論を用いての耳コピ

音楽理論を用いることで、耳コピによる選択肢を絞ることができます。

簡略化すると、「このキーでこの音が鳴るのは不自然だ」という判断ができます。

また、冒頭でも述べた『音のキャラクターを認識しやすくなる』ことも可能になるため、目標の音を判別する材料が増え、より迅速に答えを導くことができます。

コード理論(ダイアトニックコードの響きや特徴、ノンダイアトニックコード)、コード分析、スケール練習などを学習することで、理論と聴覚をリンクさせての耳コピが可能になります。

ステップアップを目指す方は、音楽理論にもチャレンジしてみてください。

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【作曲をするには?】

まとめ

いかがだったでしょうか。

これらのことから、耳コピと一口にいっても、様々な経験が成り立った上で獲得できるものだということが分かりますね。

耳コピの上達を目指している方は、音感トレーニングや楽器演奏、発声練習から始めてみてください。

そして、ある程度その経験を積んでからは、音楽理論なども活用して、より効率の良い耳コピへと挑戦してみてくださいね。

それではまた来月!

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