裏声でも地声の筋肉は働くの?
みなさんこんにちは!
DECOミュージックスクールの石川です!
今回のタイトルは一瞬読んだだけだと「ん?」ってなりそうなタイトルですよね笑
地声を出している時、声帯は縮んで太くなる運動と閉じる運動を行なっていると言われています。
それに対して裏声を出している時は、伸びる運動と開く運動を行っているというのが通説です。
物は基本的に硬くて・薄くて・短い物が振動すると高い音が出るので、伸びることによって硬さと薄さを手に入れられる裏声は、地声よりも高い音が出やすいわけです。
(伸びることによって短さのファクターは捨てる形になっていますが、短さよりも薄さの方が音程に与える影響が大きいということなのだと思います。)
今回は裏声を出している時も、縮む運動と閉じる運動を行うことはあるのか?という内容です。
普通に考えれば、縮んで太くなる運動が起こると裏声のような高い音が出づらくなってしまうので、裏声に地声系の筋肉は必要ないという結論になりそうです。
今は治ったのですが、つい先日まではA4〜G5の範囲の裏声がなかなか戻って来ず苦労しておりました。
そんな時にふと思い出したのが、以前読んだ本に出てきた「声帯が炎症して声が出なくなる際に、まず1番最初に炎症するのは声帯筋という筋肉だ」という文言です。
声帯筋は「縮んで太くなる筋肉」なので、あえて分けるなら地声系の筋肉に属します。
1番最初に炎症するということは1番ダメージを受けやすく、治るのも1番遅いと解釈していたので、A4〜G5の裏声が出ないのは声帯筋が炎症しているからなのか?とも一瞬考えたのですが、
裏声を出している時に地声系の筋肉が働くというのがどうしても納得できず、自分の中で謎なままになっていました。
しかし、よくよく考えると、裏声を出している最中も地声系の筋肉が働くことは十分考えられます。
先程お伝えした通り、物は硬くて・薄くて・短いほど高い音が出るので、ただ単に声帯を伸ばすよりも、ある程度縮もうとしている声帯を伸ばした方が声帯自体が硬くなると思いませんか?
分厚くなるほど縮む必要はありませんが、声帯を硬くする手助けになる程度の縮みなら、むしろ縮んだ方が高い声が出やすくなるはずです。
この考え方に行き着いて、僕の悩みは一気に解消されました。
地声系の筋肉が多少働いた方が高音が出やすいなら、声帯筋が炎症することによってA4〜G5の裏声が出せなくなることも説明が付くからです。
G4から下の裏声は声を壊す前と全く変わらず出せたので、今までの話からするとG4から下は声帯筋が働かなくても出せる音域ということになります。
僕の見解ですが、G4から下に関しては甲状披裂筋が働いているのだと思います。
甲状披裂筋は声帯筋と同じように、縮んで分厚くなる筋肉です。
しかも声帯筋よりも大幅に分厚くなってしまうので、地声を出す時に働きます。
地声で高音を出せない人は、この筋肉が働き過ぎてしまっていることが原因なのですが、G4から下の裏声に関しては、この筋肉によって多少縮む力が働いていると考えられます。
なぜかというと、甲状披裂筋はG4までなら活動できると言われていて、声帯筋が炎症している僕が裏声を出せる音域とピッタリマッチするからです。
さらに言うなら、甲状披裂筋が働くと喉が響き、声帯筋が働くと鼻根(眉間のすぐ下)が響くと言われていますが、G4から下の裏声は思いっきり喉が鳴り、これを書いている今になってようやく出せるようになったA4〜G5の裏声は喉が全く鳴らず、鼻根辺りに明確に響きを感じるのです。
この響きの違いも、裏声に地声系の筋肉が入っている証拠になり得ると思いました。
地声で高音を出す技術をミックスボイスと呼びますが、ミックスボイスを一言で説明すると「甲状披裂筋ではなく声帯筋で声帯を閉鎖した地声」となります。
つまり、ミックスボイスを出すには声帯筋の活性化が不可欠だということです。
風邪を引いた僕が出せなくなったA4〜G5の裏声がもし声帯筋の力を借りて出しているなら、この範囲の裏声を練習することはミックスボイス習得にとって非常に有意義だということになります。
ここで一つ注意点なのが、喉締めがある状態でA4〜G5の範囲を練習しても、イマイチ声帯筋に負荷がかからないので効果が薄いということです。
[声帯筋の筋力➕伸ばす筋力🟰声帯の硬さ] だとすると、これまで裏声や声帯筋のトレーニングをして来なかった人は声帯を硬くすることが苦手ということになります。
声帯の硬さによって受け止められる呼気圧が決まるので、声帯が硬くできない人はものすごく弱い息の量でしか発声することができません。
もし声帯の硬さを上回る息の量を出そうとした場合、下顎にある喉締めの筋肉達が声帯を無理矢理引っ張って硬さを出そうとしてくれます。
そうなれば声帯筋と声帯を伸ばす筋肉以外の筋肉の力を借りて呼気圧を受け止めていることになるので、負荷が分散し筋肉トレーニングにならないのです。
声帯筋と伸ばす筋肉に適切な負荷をかけるためには、適切な呼気圧で練習することが大切です。
逆に言えば、喉締め筋が入って来ないまま音量を大きくできれば、声帯筋と伸ばし筋の筋力が相当強いということになります。
真上を向くと下顎の喉締め筋達が助けに来づらくなるので、普段喉締め筋を使って発声している人は、真上を向くと声が出せなくなります。
A4〜G5の範囲を真上を向いて裏声で発声してみてください。
喉がググッと上がりたがっている感じが一切無いまま発声できれば、喉締めの筋肉を使わずに発声できていることになります。
喉締めが発生しない状態・音量で裏声を練習し、理想的なミックスボイスを習得していきましょう。
最後はSnowManのDVDでお別れです。
年末はSnowMan三昧になることでしょう。
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DECOミュージックスクールの石川です!
今回のタイトルは一瞬読んだだけだと「ん?」ってなりそうなタイトルですよね笑
裏声・地声それぞれの声帯の動き
少し説明すると、地声を出している時、声帯は縮んで太くなる運動と閉じる運動を行なっていると言われています。
それに対して裏声を出している時は、伸びる運動と開く運動を行っているというのが通説です。
物は基本的に硬くて・薄くて・短い物が振動すると高い音が出るので、伸びることによって硬さと薄さを手に入れられる裏声は、地声よりも高い音が出やすいわけです。
(伸びることによって短さのファクターは捨てる形になっていますが、短さよりも薄さの方が音程に与える影響が大きいということなのだと思います。)
今回は裏声を出している時も、縮む運動と閉じる運動を行うことはあるのか?という内容です。
普通に考えれば、縮んで太くなる運動が起こると裏声のような高い音が出づらくなってしまうので、裏声に地声系の筋肉は必要ないという結論になりそうです。
裏声を出している時も縮む力は必要
なぜこんなことを書くのかというと、発端は最近風邪を引いて声が完全に出せなくなってしまったことにあります。今は治ったのですが、つい先日まではA4〜G5の範囲の裏声がなかなか戻って来ず苦労しておりました。
そんな時にふと思い出したのが、以前読んだ本に出てきた「声帯が炎症して声が出なくなる際に、まず1番最初に炎症するのは声帯筋という筋肉だ」という文言です。
声帯筋は「縮んで太くなる筋肉」なので、あえて分けるなら地声系の筋肉に属します。
1番最初に炎症するということは1番ダメージを受けやすく、治るのも1番遅いと解釈していたので、A4〜G5の裏声が出ないのは声帯筋が炎症しているからなのか?とも一瞬考えたのですが、
裏声を出している時に地声系の筋肉が働くというのがどうしても納得できず、自分の中で謎なままになっていました。
しかし、よくよく考えると、裏声を出している最中も地声系の筋肉が働くことは十分考えられます。
先程お伝えした通り、物は硬くて・薄くて・短いほど高い音が出るので、ただ単に声帯を伸ばすよりも、ある程度縮もうとしている声帯を伸ばした方が声帯自体が硬くなると思いませんか?
分厚くなるほど縮む必要はありませんが、声帯を硬くする手助けになる程度の縮みなら、むしろ縮んだ方が高い声が出やすくなるはずです。
この考え方に行き着いて、僕の悩みは一気に解消されました。
地声系の筋肉が多少働いた方が高音が出やすいなら、声帯筋が炎症することによってA4〜G5の裏声が出せなくなることも説明が付くからです。
G4より下の裏声で働いている筋肉
一方で、A4〜G5以外の裏声はどうだったかと言うと、普通に出せていました。G4から下の裏声は声を壊す前と全く変わらず出せたので、今までの話からするとG4から下は声帯筋が働かなくても出せる音域ということになります。
僕の見解ですが、G4から下に関しては甲状披裂筋が働いているのだと思います。
甲状披裂筋は声帯筋と同じように、縮んで分厚くなる筋肉です。
しかも声帯筋よりも大幅に分厚くなってしまうので、地声を出す時に働きます。
地声で高音を出せない人は、この筋肉が働き過ぎてしまっていることが原因なのですが、G4から下の裏声に関しては、この筋肉によって多少縮む力が働いていると考えられます。
なぜかというと、甲状披裂筋はG4までなら活動できると言われていて、声帯筋が炎症している僕が裏声を出せる音域とピッタリマッチするからです。
さらに言うなら、甲状披裂筋が働くと喉が響き、声帯筋が働くと鼻根(眉間のすぐ下)が響くと言われていますが、G4から下の裏声は思いっきり喉が鳴り、これを書いている今になってようやく出せるようになったA4〜G5の裏声は喉が全く鳴らず、鼻根辺りに明確に響きを感じるのです。
この響きの違いも、裏声に地声系の筋肉が入っている証拠になり得ると思いました。
裏声の練習でミックスボイスを出せるようになる
さて、最後にここまで書いてきたことが何に役立つのかを書きたいと思います。地声で高音を出す技術をミックスボイスと呼びますが、ミックスボイスを一言で説明すると「甲状披裂筋ではなく声帯筋で声帯を閉鎖した地声」となります。
つまり、ミックスボイスを出すには声帯筋の活性化が不可欠だということです。
風邪を引いた僕が出せなくなったA4〜G5の裏声がもし声帯筋の力を借りて出しているなら、この範囲の裏声を練習することはミックスボイス習得にとって非常に有意義だということになります。
ここで一つ注意点なのが、喉締めがある状態でA4〜G5の範囲を練習しても、イマイチ声帯筋に負荷がかからないので効果が薄いということです。
[声帯筋の筋力➕伸ばす筋力🟰声帯の硬さ] だとすると、これまで裏声や声帯筋のトレーニングをして来なかった人は声帯を硬くすることが苦手ということになります。
声帯の硬さによって受け止められる呼気圧が決まるので、声帯が硬くできない人はものすごく弱い息の量でしか発声することができません。
もし声帯の硬さを上回る息の量を出そうとした場合、下顎にある喉締めの筋肉達が声帯を無理矢理引っ張って硬さを出そうとしてくれます。
そうなれば声帯筋と声帯を伸ばす筋肉以外の筋肉の力を借りて呼気圧を受け止めていることになるので、負荷が分散し筋肉トレーニングにならないのです。
声帯筋と伸ばす筋肉に適切な負荷をかけるためには、適切な呼気圧で練習することが大切です。
逆に言えば、喉締め筋が入って来ないまま音量を大きくできれば、声帯筋と伸ばし筋の筋力が相当強いということになります。
喉締めがあるか確認する方法
喉締めの筋肉が参加しているか確認する手っ取り早い方法は、真上を向いて発声することです。真上を向くと下顎の喉締め筋達が助けに来づらくなるので、普段喉締め筋を使って発声している人は、真上を向くと声が出せなくなります。
A4〜G5の範囲を真上を向いて裏声で発声してみてください。
喉がググッと上がりたがっている感じが一切無いまま発声できれば、喉締めの筋肉を使わずに発声できていることになります。
喉締めが発生しない状態・音量で裏声を練習し、理想的なミックスボイスを習得していきましょう。
最後はSnowManのDVDでお別れです。
年末はSnowMan三昧になることでしょう。
皆様良いお年を!
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