「自分の演奏を客観的に見る」ために

こんにちは!DECO MUSIC SCHOOL 講師のひろせです。


今回の記事では、


自分の演奏を客観的に見る」ということについて書いていきます。


まずお聞きしたいのですが、
皆さんは普段、自分の演奏を客観的に見ることはできていますか?


これに迷わず「YES」と言える人は少ないのではないでしょうか。



(先日行ったライブのリハーサルの様子。御茶ノ水のライブハウスにて)


私は教えることを仕事にしていますので毎月4,50人の方の演奏を聞きますが、
最初はほとんどの方が自分の演奏を客観的に見ることを苦手としています。
もしそれができるのならば、レッスンに通わずとも独学でどんどん上達できてしまうので、 当然といえば当然かもしれませんが、レッスンに通われる方には、
「自分自身の演奏を自分で評価できるようになる」ところまでいってほしいと、
私は考えています。


その力が身につけば、いずれレッスンを卒業する時がきても、
その後も自分で自分の能力を高めていけるからです。
私が担当する生徒さんにはそのレベルまで到達してほしいと、
常日頃から思っております。


そこで、レッスンでは生徒さん自身の演奏を録音して聴いてもらったり、
こちらがその演奏に対してフィードバックをします。
録音を聞くことで自身の演奏の音程やリズムが不安定だったり、
抑揚や表現に乏しかったりすることに気づきますし、
フィードバックを受けることで今後の課題が明確になります。
ここまではレッスンを受けていない方でも想像できると思います。


重要なのはその次です。


生徒さん自身に、
今の演奏で「よくできたところ」と、「今後できるようにしたいところ」
この二つを挙げてもらいます。できればどちらも3つ以上。
両方必ず挙げてもらいます。
これが実は「自分の演奏を客観的に見る」ために大切なことなのです。


ほとんどの方は自分の演奏後に、
「上手くいかなかったな」「まだまだだ」「さっきよりは上手く演奏できたかな」という曖昧な評価を自分自身にしています。
また、ネガティブなことばかり浮かんで嫌な気持ちになったり、
逆になんとなく上手くできた気がして課題を見つけられなかったり。
ライブ後もその時の感情だけで全てが悪く思えたり、逆に全てがなんとなく良く思えたりと、そのどちらかに偏ってしまうことが多いのです。


そこで、一旦感情は横に置いてもらい、
「よくできたところ」と「今後できるようにしたいところ」、
この両方を探してもらいます。


すると、自分自身の演奏が全て悪く思えていた人にも、
以前より上達しているところが見つかったり、自分の課題が曖昧だった人にも、
自分自身ではっきりと意識できるような課題が見つかったりするのです。


前回の記事に書きましたが、最終的にたくさんのことを同時に行うためには、
1つ1つのことを無意識にできるようになる必要があります。
そのために普段の練習があるのですが、その練習を有意義なものにするためには、毎回の練習で課題を明確にしなくてはいけません。


その時に役立つのが、
自分自身の演奏後に「よくできたところ」と「今後できるようにしたいところ」を
挙げるということなのです。


最初はすぐに挙げられない方も、レッスンでフィードバックを受けるうちに、
「あ、今はここができて、ここができていなかった」というように、自分自身でも挙げられるようになってきます。そしてこれを繰り返していくことによって、
「自分の演奏を客観的に見る」力が養われていくのです。


いかがでしたでしょうか?
文章で書くと実にシンプルですが、実際にやってみると効果は絶大です。



(先日行ったライブの本番の様子。御茶ノ水のライブハウスにて)


理想の演奏ができるようになるまでの道のりはとても長いものです。
時に感情に振り回されて投げ出してしまいたくなることもあるでしょう。
そんな時にはこの記事に書いた内容を思い出して活用してみてくださいね。


そして、その第一歩として講師からフィードバックを受けてみたい方は、
レッスンを受講されてみてはいかがでしょうか。
皆様の長い道のりを応援しております。

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