カラオケとステージの違い

こんにちは!
DECO MUSIC SCHOOL講師の萩原義人と申します。

今回は、
カラオケで歌うことと、
実際のステージで歌うこと、
この違いについてお話ししたいと思います。


そもそもカラオケで上手い人が、
実際に生のバンド編成で歌ったり
スタジオやライブハウスのステージで歌うと
大抵の人が全然いつものように歌えなくて
苦戦すると思います。
これはよくある話です。

では、なぜそんなことが起きるのか?
もちろんマインドの問題もありますが
音に関する原因で言うと大きく分けて4つあります。


①音量の問題
②モニターの問題
③楽器の問題
④空間の問題(箱鳴り)

順番にお話ししていきます。


【①音量の問題】

まずとにかくでかい。。
カラオケだと誰かが歌っていても
隣の人と会話できますよね。

実際のスタジオやライブハウスでは
バンドの演奏中は会話なんて全く聞こえないほどの音量で演奏されています。

その音圧に負けて
感覚が鈍って正しい音が掴めない状態になります。

まずはその音量に慣れる必要があるのです。


…少し余談ですが
これは僕が10代の頃、
初めて本格的なライブハウスに行った時の話。 田んぼだらけの田舎から電車に乗り、 市街地にあるライブハウスのイベントを観に行きました。

薄暗い階段を下ると、そこでは
モヒカンの髪をツンツンに立てて、
鋲だらけの革ジャンを着た、
ほぼプロレスラーくらいの体型のお兄様たちが
複数名いらっしゃって、
「ハードコア」と呼ばれる
とても非お上品な音楽会を催されていました。

あまりの音圧に内臓まで重低音が響きわたり
軽く気持ち悪くなりながら
田んぼの風景が恋しくなった夜もありました。

みなさんも最初に行く場所を間違えないように
お気をつけて。。


えーと、話を戻します。

これはあまりに極端な例でしたが
ポップスバンドにおいても生のドラムの音や
アンプやスピーカーを通した音の大きさは相当なもので、
そのなかで歌うには少し慣れが必要です。

【②モニターの問題】

みなさん、こんなことを思ったことはありませんか?

「なんでプロはイヤホンして歌ってんの?」


①でお話しした音量の問題にも通じてくるのですが
その大きい音の中ではほぼ自分の音が聞こえません。
なので「歌手本人用のスピーカー」があります。

そこから自分の声や、
歌う時に音程が取りやすい楽器の音を
スピーカーから返してもらっているのです。

それをモニタースピーカーと呼びます。





小さな会場であればそれでも聞こえるのですが
さらに大きな会場とか、
モニタースピーカーが用意できない会場では、
イヤホンモニター(通称イヤモニ)をしているというわけです。

カラオケとは違って
モニターなしでは自分の声が聞こえないという
不思議な環境下で歌うことになります。

【③楽器の問題】

例えばバンドでよく使われる各楽器の音量を
ざっくばらんに数字で表すと、

ボーカル:100
ベース:300
ギター:500
ドラム:1000

こんな感じでイメージしてみてください。
そうです。
ほぼドラムしか聞こえません。

ステージやスタジオの中で
立ち位置がドラムに近い位置かどうか、
だけでも聞こえ方が変わってきます。

なのでみなさんがカラオケや音源で聴いてるような
歌がちゃんと綺麗に聞こえるバランスの取れた音ではなく、
バンドマンは演奏中に

“特定の楽器しか聴いてない”

なんてこともしばしばです。

例えばモニターから
「自分の声とベースの音だけください」
みたいに音響スタッフさんに頼むこともあります。

【④空間の問題(箱鳴り)】

最後に箱鳴りというものについてお話しします。

その空間の大きさや
反響具合で音の聞こえ方が変わります。

例えば引っ越したばかりの家具のない部屋だと、
お風呂のように声が響く感じがします。

でも家具を入れたりカーテンを付けると
響きは反響しなくなります。

音は水に石を落とした波紋のように
空気の振動で伝わるので
障害物があったり、
跳ね返らない素材の壁だったりすると、
途端に響かなくなります。

ちなみにリハーサルスタジオなどは
ハウリングを起こさないように
わざと極端に響かない設計に作られています。

ですが大きなホールや、フェスなど野外の会場は
良くも悪くも響いてしまいます。

試しにカラオケでエコーを強めにして歌ってみると
そのやりづらさが実感できるかと思います。

音がぐわんぐわん回ってしまって
非常に難しいです。。

ただし、ちゃんと音楽に適した設計で作られているホールなどは
本当に気持ち良い響き方をします。

僕が経験した中で言うと、
Zeppなんかはとても良い音で響くので
演奏しやすいです。


まとめ

このように空間や環境によって
音はまるで違った聞こえ方になります。

もしこれを見てくれている方で
バンドやステージに興味がある方は、
いつものカラオケや自分の部屋といった同じ環境ではなく
違った環境で歌ってみることもお勧めします。

スタジオに入るくらいなら
お手軽にできますので
是非試してみてください。
耳が鍛えられてだんだん色んな音を
聞き分けられるようになっていきますよ。

最初はやりづらいと思いますが
インディーズもプロも、
あなたが好きな”あのアーティスト”も
世の中のミュージシャンは皆、通る道です。


コツや、やり方など、
たくさん経験値のある講師の先生に
どんどん聞いてみてくださいね。


今回はカラオケと
生のバンドやステージで歌うことの違い
についてお話ししました。


最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。


それでは、また!


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