分解、そして再構築

お疲れ様です!イラストレーターの佐藤です!
まず、本当に、やって欲しい
私は先月のブログでも、レッスン中でも、「あること」を口を酸っぱく、それはもう酸っっっっぱくして言いました。なので今回でも言います。
「ラフを描いてください!!」
私のレッスンでは基本的に私が写真を指定してデッサンやクロッキー、模写などをやってもらっています。そして、ではやってみて下さい!と言って何も言わずに作業を見てみると、いきなりアウトラインを取ろうとしている人が多いです。これ、レッスンを受ける受けない関係なく、クロッキーやり始めの人あるあるではあるんですよね。お手本には完成系があるので、自分も初めからそのように描こうとしてしまうのでしょうか。私がお手本でラフから人体を描くところを見せてみても、頑なにラフを描かない…どうして、と思います。
私がクロッキーや模写をしてもらう際にラフを描いて欲しいのはいくつか理由があって、それをレッスンできちんと説明しきれてないのかな、と反省しました。今回のブログでは文章に起こすことで私の目的を文章として皆さんにお届けし、私自身レッスンに活かしていこうと思います。
適切な段階を踏まないと自分の力にならない
もし、時間をかけてラフを描かずにクロッキーでアウトラインを「完璧に」取れたとします。では、そのポーズを今後何も見ないで描けますか?また、その経験を活かして別のポーズを描くことはできますか?続けていれば確かに「見て描く」能力はついていきます。そして「見たものが描けるようになること」は必須の能力だとも私は言いました。ですが、見たものが見たまま描けるだけでは足りません。
絵を描くことの楽しさとは「見たものが描ける」だけではないと思います。その後の絵描き人生の中で、模写だけやっていたいと言うならば構わないのですが、おそらくそういう人は多くなく、想像したものを綺麗にイラストに描き起こす力が付くことを期待してスクールに通っているのではないでしょうか。
私はクロッキーを通して、「人の体の作りを知る」「人の体の自分なりの描き方を知る」「狙った場所に線を引く」「見たものを正確に描き出す」ということを訓練して欲しいのです。決して模写の能力だけをあげて欲しいのではありません。(模写が上手く、ただ模写しかできないと言っていた知り合いは次第に絵を描かなくなってしまいました…)
分解して再構築!
やっと本題です!!前回のブログでは人体を簡単な図形に分解して、組み立て直すことでポーズを取らせよう!みたいなことを書いたと思います。その時は簡単なポーズでしたが、今回は難しいポーズでもう一度同じ解説をしていこうと思います。
と言っても、書くことは前回とほぼ一緒です。まずはPinterestで「人体 クロッキー」と検索するか、90秒ドローイングができるサイトなどを探してください。今回はPinterestの画像を参考に使いました。
人体を簡単な図形に分解して再構築する、これだけです。私はラフを描く時はぜんぶ○を使います。○で大きさと位置をある程度決めます。
そして、位置と大きさを決めたこのラフに「正しい形」をはめ込んでいくイメージです。正しい形を覚えるには何十、何百とクロッキーをするか、人体解剖学を勉強するかになります。自分にできそうな方法で覚えていってください。そして、形を当てはめたものがこちらです。
前回と違い、少しだけ難しいポーズなので単純な図形を立体的に想像する必要がありますね。積み木などを見たり描いたりして想像力を養いましょう。
手も…
皆さん!手、描けますか?人間の手は器用で、色々なことができる反面、構造が複雑に見えて描くの難しいですよね。
ですが、これも分解して再構築という考え方で簡単になります。早速やってみましょう!こちらもPinterestなどで「手 クロッキー」と検索すると色々出てきます。
書き忘れていました。本当は写真からクロッキーできたらいいのですが、初めは難しいと思うので一旦イラストに描き起こされた手の模写をするといいかもしれません。
手も簡単な図形に分解できます。私の場合は手も全部○でラフを描きます。
あとは同じく正しい形を置いていくだけです。
段階を踏めば簡単に難しいポーズを描くことが出来ますね。皆さんにはこの感覚を身につけて欲しいのです。
これにてクロッキーのやり方解説は終わりになります!楽しくない練習と感じてしまうかもしれませんが、絵描き全員がいずれ通る道だと思うので、今のうちに通っておきましょう。