人気楽曲『ライラック』を楽曲分析!(最終回)

こんにちは!DECO MUSIC SCHOOLのエトです!

今月もよろしくお願い致します。

さて、これまでMrs.GREEN APPLE『ライラック』を取り上げてきましたが、今回でひとまず最後となります。

全部を理解する必要はありませんので、作曲する人の頭の中ってこんな感じなんだな〜と楽しんでもらえれば嬉しいです。

作曲のきほんのき、ツーファイブワン!

前回はサブドミナントマイナーとセカンダリードミナントについて解説しました。

今回は①ツーファイブ、②パッシングディミニッシュについて解説していきます。今回も以前から使用しているダイアトニック対応表で分析していきます。

早速、①ツーファイブの部分を見ていきましょう。Dm7-Dm7/G-Cと続いていますね。

まず、Dm7(レ・ファ・ラ・ド)はⅡmに該当します。機能的にはドミナントに向かうことの多いサブドミナントですね。

次にDm7/Gを見ていきます。こちらのコードが混乱させてしまうことと思います。ピアノがある人は右手でDm7(レ・ファ・ラ・ド)、左手でG(ソ)を弾いてみてください。

こうしたⅡm7のベース音がⅤになっているコードはG9sus4(ソ・ド・レ・ファ・ラ)、つまりⅤ9sus4と置き換えることができます。

一見、ややこしく見えますが、Ⅴに該当し、ドミナントの機能を持ちます。そして、ⅠであるC(ド・ミ・ソ)に帰結します。

この一連の流れはⅡm-Ⅴ-Ⅰ(ツーファイブワン)と呼ばれています。ジャズなどのジャンルで多用されるコード進行のひとつで、強い解決感が演出できることが特徴です。

CメジャーキーにおいてはDm-G-Cが連続していれば、ツーファイブワンとなります。

巷のポップスにもたくさん潜んでいますので是非探してみてくださいね!

いよいよ大詰め、パッシングディミニッシュ!

さて、②パッシングディミニッシュについて見ていきます。

この技法を応用できるようになってくると、作曲の自由度がぐんと上がってくると思います。

パッシングディミニッシュはダイアトニックコードの間に経過的にdim7(ディミニッシュコード)を入れることで、音楽の流れをよりスムーズにすることが可能です。

今回はG(ソ・シ・レ)からAm(ラ・ド・ミ)と進んでいくコードの中にG#dim7(ソ#・シ・レ・ファ)が挟み込まれていますね。

このG#dim7は実のところ、AmのドミナントであるE7(ミ・ソ#・シ・レ)と構成音が近く、同じような効果があります。

詳しく説明するとかえってややこしいため、今回は間にある音を中心としたdim7が任意に差し込むことができると覚えておいてください。

例えば、C-Dmの間にはC#dim7(ド#・ミ・ソ・シb)が差し込むことが可能です。

まとめ

(解答)

本日の解答を載せておきます。※F#dim7(トニックの代理)、D(ダブル・ドミナント)については今回、保留とさせていただきます。

いかがでしたか?ここまで3回にわたって、有名楽曲のサビ部分を取り扱ってまいりました。

これだけの技法が使われていることに驚いたと思います。

今回のシリーズを通して、お伝えしたかったことはコードや難しい理論を覚えることではありません。

作曲家はどんなことを考えながら作っているのか。また、作曲やDTMを学んだ先には分析的な楽しさがあることを少しでも味わっていただくことです。

文字で見ると「うっ、難しそうだ。」ということもレッスンで説明されると「あれ?なんだこんなことか。」となることも多いです。

少しでも興味を持って頂けた方は、気軽に作曲やDTMの門を叩いてみてくださいね!

ではまた、次回号でお会いしましょう!

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