ニュージャンルKPOP?!【XLOV】──変わりゆくK-POPの最前線を読み解く
こんにちは、DECO MUSIC SCHOOL です。
どんどん加速していく時代の流れ。
色んなところで同時多発的に新しいものが生まれている世の中。
「ついていけない」なんてことも日常茶飯事。
そんな生活の中、筆者も日々必死で情報を得ています(笑)
国際的に見ても、今KPOP界隈がすごく盛り上がっていますね。
ついに韓国政府もKPOP産業をうまく活用しようと、業界関係者に声をかけ始めたようです。
近年KPOPには外国人もメンバーとして参加したり、
韓国国外での活動を中心にしているグループも出てきたり、多様化がどんどん進んでいます。
今回は今話題の新人グループ【XLOV】について深く読み解いていこうと思います。
XLOVとは何か──K-POPに現れた新潮流
XLOVは2025年1月7日にデビューしたばかりの4人組ボーイズグループです。
KPOPでは「それぞれのグループ」「それぞれのメンバー」で明確なコンセプトを持っていることが多いです。
例えば【aespa】なら
グループコンセプト:「現実世界と仮想世界の融合」
カリナ:rocket puncher
ジゼル:armamenter
ウィンター:got xenoglossy
ニンニン:E.d hacker

左からカリナ、ウィンター、ジゼル、ニンニン
といった具合です。
では【XLOV】はどうでしょうか。
グループコンセプト:「ジェンダーレス」
個人コンセプトは特にありません。
この時点で「個人に特定のキャラクターを強要しない」「性別の垣根がない」
非常に自由度の高い、時代に沿ったコンセプトのように思えます。
XLOVメンバーについて
メンバーは4人です。
個性的なメンツが揃っているので、1人ずつ紹介していきます。
ウムティ
本名:吾木提 吐尔逊(ウームーティ・トゥアーシュン)
誕生日:1999年7月7日
年齢:26歳(2025年現在)
身長:175cm
出身:中国
KPOPアイドルには珍しい、ウイグル出身です。
このチームのリーダーでありプロデューサーも担っています。
なんと彼自身がメンバーを集めて結成したようです。
ルイ
本名:陳冠叡(チェン・クァンルイ)
誕生日:2000年12月28日
年齢:24歳(2025年現在)
身長:175cm
出身:台湾
この中でダントツと言っていいほどダンスが上手なメンバーです。
比較的男性には難しい、しなやかなダンスもしれ〜っと踊りこなしてしまいます。
さらに、バレエや伝統舞踊も得意で大会で優勝経験があるとかないとか…
ジェンダーレスなだけでなく、ジャンルレスでもある彼のしなやかでダイナミックな振り付けは、いつ見ても圧巻です。
ヒョン
本名:김진형(キムジンヒョン)
誕生日:2002年7月26日
年齢:23歳(2025年現在)
身長:185cm
出身:韓国
グループ内唯一“ボーイズプラネット”に出演していないメンバーです。
デビューしたてということもあり、まだまだ謎に包まれた方です。
パフォーマンス中は一番身長が高く、力強いダンスなためとてもよく目立つ印象です。
しかし普段は戸惑うとオロオロして弟感が可愛い、ギャップ萌えするタイプのメンバーです。
ハル
本名:加藤 暖琉(かとう はる)
誕生日:2006年2月18日
年齢:19歳(2025年現在)
身長:170cm
出身:日本
我らが日本出身、末っ子(マンネ)のメンバーです。
顔立ちも可愛らしく、身長も一番小さくてマンネであるという、完璧な可愛い系アイドルです。
元々ダンスチームに所属していたこともあり、技術も言うことなし!

左からヒョン、ルイ、ウムティ、ハル
XLOVという言葉の意味と由来
未知数や否定を意味する「X」と、未完成の愛「LOV」を組み合わせてつくられた造語で
未完成な部分を抱えながらも様々な愛を経験し、完成する「愛」を目指す。
という意味が込められているようです。
参考なぜ今、XLOVなのか?
我々が生きるこの時代のキーワードは「多様性」
これまでのKPOPも、もちろん常に新しいコンセプトを提案し続けていました。
しかし近年は「アイドル飽和状態」と言われ思いつく限りのコンセプトは出尽くしていました。
王道で行こうにも周りに埋もれやすく、奇抜に行けば当たるかどうかは一か八か、
外れた時には解散を余儀なくされるなど、アイドル側も非常に苦労していました。
そんな中で「ジェンダーレスコンセプト」を打ち出したのは【XLOV】が初めて!
さらに今、平成初期のカルチャーが再注目されており、
若者の間で「平成レトロ」「Y2K」と名を変えて流行っています。
【XLOV】というグループ名にもKPOP第二世代あたりを感じさせる響きがありますね。
これもまた新しい時代の香りがする部分です。
時代的にピッタリで大衆に受け入れられやすい最大値のタイミングで
満を持してデビューした彼らはすでに注目の的。
新時代をあらわすアイコンとなることでしょう。
従来のK-POPとの決定的な違い
従来のKPOPにおいて「ジェンダー」を武器にした場合、ガールズグループ(以下ヨジャグル)ではお姉さんコンセプトの
IZ*ONE
SHINee
その他にも様々なコンセプトで多くのグループが活動していますが、
「性別」の枠から外れていることはほとんどありませんでした。
あったとしても男女混合グループ(KARD、ALLDAY PROJECT)
で性別の垣根を“超えて”はいても、性別の垣根を“消して”いるのは【XLOV】だけ。
ここが大きなポイントです。
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XLOVの楽曲とパフォーマンスの特徴
皆さんのお声を代弁してみました。
そうですね、厳密にはあるかもしれません。
ではなぜ【XLOV】はデビューと同時に有名になり、他のグループは有名になっていないのでしょうか?
他にはないものが【XLOV】にはあるからです。
それがパフォーマンス力と知名度です。
音楽性の進化
まだデビューしたばかりでオリジナル曲は少ないですが、
どの曲にも共通するのは、中毒性のある独特なサウンドです。
少し大人びた色気のある雰囲気の中に男性らしい力強さや鋭さを感じさせます。
しかしダンスや表現はしなやかで艶っぽく仕上がっているので
今までにない不思議な世界観を生み出しています。
プロデューサーはメンバーのウムティ。
平均年齢約23歳と新人グループとしては少し高めなため、
このように攻めたコンセプトでも消化できると判断したのでしょう。
ボーカル・歌唱スタイル
韓国に限らずですが、近年は対面での活動よりインターネット上の活動を前提とした歌唱の方が 人気が出やすい傾向があります。(YOASOBI、imaseなど)
いくらニュージャンルといっても、やはり流行りは汲み取っているようです。
「歌い上げる」というよりはパフォーマンス全体でバランスをとり、
マイク映え、映像映えするような工夫がなされています。
例えば、踊っていてもぶれずに且つ映えるように難しい音域や跳躍はあまりなく、
発声も負担がかかりにくいものになっていたりします。
MVやライブに見られる新たな世界観演出
演出自体はあまり派手でなく、シンプルな構図やセットで撮影されています。
しかし衣装やメイクがナムジャグルには珍しいレディースライクな雰囲気となっています。
ダンスもJAZZやGIRLSを思わせるような、しなやかな振り付けがたくさん含まれています。
ダンスが得意なメンバーが多いため、
違和感を抱かせずに魅せることができているのが、すごいところです。
これだけ女性に寄せているのに、彼らを形容すると「かっこいい」になるのが不思議です。
またメンバー全員が違う国籍(日中韓台)であることも
不思議な雰囲気を醸し出している要因かもしれませんね。
メンバー個人の知名度
【XLOV】ができる前、すでにある程度知名度を獲得していたメンバーが多いことも、
すぐに注目された理由かもしれません。
有名なオーディション番組「ボーイズプラネット」に三名が出演していました。
その前にも中国ウイグル出身のリーダー兼プロデューサー、ウムティは
中国で放送されていたオーディション番組に出演し、デビューもしていたようです。
そちらは現在活動していないそうです。
日本人メンバーのハルは元々日本でダンスチームに所属し、ダンサーとして活動していたようです。
台湾人メンバーのルイは台湾国内で様々なダンス大会で賞を総なめしていたとか…
唯一ボーイズプラネットに出ていないのが韓国人メンバーのヒョン。
韓国国内での活動を考えた時に、やはり韓国人メンバーが欲しかったのだろうと思います。
たくさんいる練習生の中でも他のメンバーと同じレベルでパフォーマンスができ、
かつコンセプトを消化できる人としてオファーされたと考えると、
相当な実力者であるため、多少知名度が低かったとしても問題ないと判断されたのだと思います。
XLOVから読み取るボイストレーニングの課題
ここまでは【XLOV】というグループについて分析・解説してきました。
ここから先は、【XLOV】から学び取れる内容についてお話ししていこうと思います。
安定したコントロール力の重要性
近年の傾向として、ダンスボーカル需要が大変高まって来ていると思います。
バンド形態であってもダンスパフォーマンスをするグループ(Mrs.Green Appleなど)も出てきていますから、 歌いながらある程度踊れることは、この先必須になる可能性が高いと考えます。
そうすると歌にもっと“安定感”を求められるようになるでしょう。
練習の段階で、動くことを想定して準備しなければいけません。
「この程度の動きならこの歌い方でここまでできるな」とか
「負担をより減らすためにはどうするべきかな」とか、
従来のトレーニングと並行して準備しておくと後々役立つかと思います。
ニュアンス表現力のトレーニング方法
【XLOV】の場合はグループコンセプトがしっかりあるため、
それに合わせた練習をそれなりの期間していたと思われます。
ニュアンスや表現力に関しては練習がとても難しい部分ではありますが、
引き出しを増やすためにできることは1つだけです。
いろんな曲を真似してみてください。
「もし自分がその曲の録音に参加したとして、浮かないかどうか」
という観点で練習するとわかりやすいと思います。
馴染まない部分があれば、おそらくニュアンスを間違えていますし、
原曲とずれて聞こえるなどの問題があれば、表現を間違えています。
楽曲の世界観を“声で演じる”ために必要なこと
世界観をしっかりと分析・理解しておくことが必要です。
この分析力・理解力を得るためには、音楽を“聴く力”が必要です。
わかりやすいやり方は使用されている楽器の種類やリズムパターン、音色、奏法を先に分析しておくこと。
その後世界観や歌詞から、どうしてその楽器や音色などを選んだのかと考えてみると、
一曲からでも様々な学びを得ることができます。
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XLOVから学ぶ、これからの“歌の表現力”
元々POPsに禁忌はないので、しちゃいけないことはないです。
だからこそ様々な種類の楽曲が生まれ、毎度その新しさに人々は惹かれ、
その音楽の人気が出るという流れでした。
この流れは変わらないと思います。
今まではサウンドを工夫して、POPsの歴史を作ってきました。
しかしここに問題があります。
これだけ音楽産業が盛んだと、あらゆる手段や構成が“出尽くした”と言われるようになってきました。
そんな中で注目されるのが“表現力”です。
とても細かな部分である“表現力”を磨くことで
更なる“新しさ”を生み出すことができるのではないでしょうか。
自分の“声の個性”を武器にするための第一歩
自分の声のいいところを見つけてあげてください。
そのためには、歌ってみなきゃいけないし、練習しなきゃいけません。
声だけじゃなく自分は何が好きで、何にこだわりがあるのかを知ることで練習の方向性が見えてきたり、初期段階では見つからなかった魅力を見つけることができるようになると思います。
ボーカルにおける「演技力」という視点
ボーカルに演技力がつくとどうなるんでしょうか。
まさしく「声」が変わります。
悲しい顔をすれば悲しい声が出るし、嬉しい顔をすれば嬉しい声が出ます。
これがチグハグな人はあまりいませんよね。
つまり演技ができると、声にも表情がつくんです。
これがニュアンスにつながります。
細かいところまで演技ができると、より繊細に表現できることでしょう。
よくある質問Q&A
Q1. XLOVはどんなグループですか?
A. 2025年1月7日にデビューした4人組ボーイズグループで、コンセプトは「ジェンダーレス」。
個人にキャラクターを強要せず、性別の垣根を取り払った自由度の高いスタイルが特徴です。
Q2. グループ名「XLOV」にはどんな意味がありますか?
A. 「X(未知数・否定)」と「LOV(未完成の愛)」を組み合わせた造語です。
未完成の愛を経験しながら完成形を目指すという想いが込められています。
Q3. 従来のK-POPグループと比べて何が違うのですか?
A. 従来のK-POPは“性別を武器にする”コンセプトが主流でしたが、XLOVは性別の枠組みそのものを消した初めてのグループです。
衣装やメイクもレディースライクながら「かっこよさ」を前面に押し出しています。
Q4. XLOVが短期間で注目された理由は?
A. デビュー直後から中毒性のある楽曲と高いパフォーマンス力で注目を集めました。
また、メンバーの多くがオーディション番組出演やダンス活動で知名度を持っていたことも大きな要因です。
Q5. 楽曲やパフォーマンスにはどんな特徴がありますか?
A. 大人びた雰囲気と力強さを併せ持ちながら、しなやかで艶っぽいダンスを融合。
MVやライブではシンプルな構図ながら独自の世界観を演出し、国籍の異なる4人が作り出す独特の雰囲気も魅力です。
Q6. XLOVから学べるボイストレーニングのポイントは?
A. 歌いながら踊ることを前提とした「安定感のある発声」、さまざまな曲を真似して引き出しを増やす「ニュアンス表現力」、そして楽曲の世界観を理解して“声で演じる”分析力が重要です。
Q7. ボーカル力を磨く上で意識すべきことは何ですか?
A. 自分の声の個性を武器にすること、そして“声に表情をつける”ための演技力を養うことです。
悲しみや喜びといった感情を声で表現できるようになると、より繊細で魅力的な歌唱につながります。
Q8. K-POPに詳しくなくてもXLOVを楽しめますか?
A. はい。単なるアイドル枠に収まらない高い技術とセンスがあり、音楽に刺激を求める人なら誰でも楽しめます。
新しい音楽体験をしたい方に特におすすめです。
まとめ
KPOPに関心がない方でも、音楽に刺激を求めていれば楽しめる、新しい感覚のグループ【XLOV】についてたくさん知っていただけたかと思います。
「KPOPってみんな同じ感じじゃん」とか「所詮アイドルなんだから」といったスタンスの方にこそ見てほしい、聞いてほしい音楽です。
ただのアイドルで済ますには勿体無いほどの技術とセンスを持った【XLOV】に期待大です。
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