【生活習慣と歌の関係】
歌がうまくなりたい。そう思ったとき、まず思い浮かべるのは「発声練習」や「音程トレーニング」かもしれません。
でも実は、歌の上達には日常生活の過ごし方が大きく影響しているのです。
この記事では、「生活習慣」が歌声に与える影響についてお話しして行きたいと思います。
睡眠・食事・姿勢が声を変える
歌に必要な身体のコンディションは、まさに日々の生活の中で作られています。
特に「睡眠」「食事」「姿勢」は、発声に直結する重要な要素です。
睡眠不足は声帯の天敵
まず大前提として、声帯は筋肉と粘膜でできた繊細な器官です。
睡眠不足が続くとこの粘膜が乾燥し、むくみやすくなってしまいます。
すると、声が枯れたり、思った通りにコントロールできなくなったりするんですね。
夜ふかしが続いていた週に限って、喉の調子が悪い……そんな経験がある方も多いはず。
これはまさに、生活習慣の乱れが歌声に表れている例です。
食べ物や飲み物が声に影響する
食生活も見逃せません。
「歌う前日にお酒を飲んだ」「最近偏った食事をとっている」などは声質に影響してきます。
やはり飲みながらのカラオケや、本番前日の飲酒は声帯がむくみ発声時の感覚や、声そのものも変わってきてしまいます。
また食事は体を作るものです。
もちろん声帯や筋肉も体の一部なので、いい食事がいい体=声帯や必要な筋肉などを作ってくれます。
なるべく栄養バランスを意識して食事を摂るようにしてください。
一方で、白湯やハーブティー、喉に優しい食材(れんこん、はちみつなど)は、声の滑らかさをサポートしてくれます。
姿勢は“無意識の呼吸”に効いてくる
猫背のまま歌おうとすると、腹式呼吸が難しくなります。
すると、声が浅く、持続力も弱くなりがち。
これは「腹式呼吸」とは真逆の状態ですね。
また、「悪い姿勢」を導きやすい人によくあるのは、「関節の使い方が間違えている」という状態です。
例えば、腰が反っていたり、巻き肩だったり、ストレートネックだったり…まずは自分の「関節の使い方」に注意して観察してみましょう。
姿勢を整えるだけで呼吸が深くなり、発声の持続力・響き・安定感が変わります。
立ち方ひとつで声が変わる、というのは決して誇張ではないのです。
その他歌に影響する習慣
やはりタバコは声に直接影響します。
声帯が乾燥しやすくなったり、肺が弱くなって吸える空気の量が減ってしまうことがあります。
そうすると安定した発声ができなくなり、満足のいく声が出せなくなってしまいます。
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寝相もめちゃめちゃ影響します。
「歯軋り」「口を開けて寝る」「横向きで寝る」「うつ伏せで寝る」「寝違えるような変な姿勢で寝る」などがよく起きることです。
歯軋りは顎関節に負担がかかり口が開けにくくなってしまいます。
かといって口を開けて寝ると今度は喉が乾燥し、細菌などが入って風邪になることもあります。
横向きで寝ると、腰が捩れて更に巻き型になりやすいです。
腰が捩れると腰痛になりやすく、巻き型は歌唱時の力みにつながってきます。
うつ伏せは顎関節に影響します。
これは歯軋りや寝違いとセットなことが多いです。
どれもストレスが原因のことが多いです。
まずはストレスができるだけかからないように、自分自身を可愛がってあげてください。
それをした上で、それでも改善しなさそうであれば、専門機関に頼ることをお勧めします。
例えば歯軋り→歯医者さん→マウスピースを作る 寝相関係→寝具やさん→自分専用枕を作るなどです。
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声帯と身体を守る生活習慣
いくら練習しても、「喉がすぐ痛くなる」「高音で声がかすれる」といった悩みがあると、上達を実感しづらいですよね。
そんなときこそ、毎日のセルフケアが大切です。
水分補給と加湿の効果
歌う人にとって一番の味方は「水」です。
1日に1.5〜2リットル程度の水分を意識して取りましょう。
コーヒーやアルコールは逆効果なので、なるべく控えめに。
また、乾燥は喉にとって大敵。
特に冬場やエアコン下では、加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋にかけるなどして湿度管理を意識してみてください。
声の通りが明らかに変わります。
またどちらも、温かいものや常温の方がより効果があります。
体を冷やさないことも大事な「セルフケア」の一部です。
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体温調整と筋肉の柔らかさ
寒いと感じた時、首や肩がぎゅっと縮こまってしまうことってありますよね。
これ、喉にも影響が出ています。
特に肩まわりが固まると、喉まわりの筋肉が連動して緊張してしまい、声が出しにくくなるんです。
できれば入浴後、ストレッチやマッサージをしておくと次の日も楽々体を動かせるようになります。
特に腰回りや胸から頭までの範囲をほぐしておくと、いいリラックス状態の体を作れます。
(ついでに睡眠の質も上がりますよ)
声の“使い方”にも生活習慣が出る
大声で話す・叫ぶ・喉を酷使するような生活が続くと、当然ながら声帯は疲労し、炎症を起こしやすくなります。
とくに日常的に営業や接客をされている方は、知らず知らずのうちに喉を消耗しています。
そんな方こそ、発声のときだけでなく、普段の話し声にも「脱力」と「響き」を意識することで、声帯の負担を減らすことができます。
例えば、できるだけ裏声気味で話すだけでも声帯の負担は減ります。
これはマイケルジャクソンさんが実践していましたね。(彼の地声は実はとっても低いそうです)
裏声が難しければ、鼻腔共鳴を利用して話すのもある程度効果的かと思います。
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歌が伸びる生活リズムの作り方
ここまでの話を総合すると、生活習慣は歌声の“土台”になります。
では、実際にどんな生活リズムを目指せばいいのでしょうか?
無理なく取り入れられる習慣のコツをお伝えします。
「朝起きたらまず深呼吸」習慣
起き抜けに声が出にくいのは、誰しも経験があると思います。
そんな時は、ゆっくりとした腹式呼吸で、声帯まわりの筋肉を目覚めさせることから始めてみましょう。
「吸って〜吐いて〜」を3回程度繰り返すだけでも、体の内側が起きてくるのを感じられますよ。
「歩き方」を変えよう
こちらは2つの観点があります。
1つは「姿勢」もう1つは「リズム」です。
姿勢は言わずもがな、綺麗な形で歩けているのか、特に関節に着目してショーウィンドウにうつるたびに確認しながら歩いてください。
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リズム感はステップに出ます。
よく音楽を聴きながら歩いたりすると思いますが、そのリズムに乗って歩いてください。
同じ曲でもいろんなノリ方ができると思うので、楽しんで歩くようにしましょう。
声帯も“筋トレ”と同じ
筋トレが1日で結果が出ないのと同じで、声も少しずつ鍛えていくものです。
大事なのは「短くてもいいから、毎日続けること」。
1日5分でも構いません。
たとえば、お風呂でのハミング、通勤中のリップロール、寝る前の小声でのスケール練習。
生活の中に“声を出す習慣”を散りばめていくのがコツです。
習慣が整うと「声」も安定する
一見、歌と関係なさそうに見える生活リズムですが、安定した生活習慣=安定した声です。
睡眠・食事・水分・呼吸・体温管理…これらが整うと、「今日は声が出ないなぁ」という日が減っていきます。
これはプロの歌手も同じ。
実力を発揮するためには、歌う以外の時間をどう過ごすかが非常に大切なのです。
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よくある質問 Q&A
Q1. 睡眠不足になると、歌声にどんな影響がありますか?
声帯は粘膜と筋肉でできた繊細な器官なので、睡眠不足が続くと粘膜が乾燥・むくみやすくなります。その結果、声が枯れたり、コントロールが難しくなることがあります。夜ふかしが続いた週に喉の調子が悪いと感じるのはそのためです。
Q2. 歌う前に控えたほうがいい飲食物はありますか?
アルコールや油っぽい食事は声帯をむくませ、発声が不安定になります。歌う前日や本番前の飲酒は特に注意が必要です。逆に白湯・ハーブティー・れんこん・はちみつなどは喉に優しく、発声をサポートしてくれます。
Q3. 姿勢が悪いと本当に声に影響しますか?
はい。猫背や巻き肩、ストレートネックなどの姿勢は腹式呼吸を妨げ、声が浅く持続力も弱くなります。関節の使い方を見直し、立ち方や歩き方を整えるだけで呼吸が深くなり、声の響きや安定感が変わります。
Q4. 喉の乾燥を防ぐにはどうしたらいいですか?
1日1.5〜2リットルの水分をこまめにとることが基本です。乾燥する季節やエアコン下では加湿器や濡れタオルで湿度を保ちましょう。温かい飲み物や常温の水を選ぶとさらに効果的です。
Q5. 普段の生活で喉を痛めやすい行動はありますか?
大声で話す・叫ぶ・営業や接客で長時間声を使うなどは声帯に負担をかけます。普段から脱力や響きを意識した話し方を取り入れると、喉の疲れを軽減できます。
Q6. 毎日の練習はどのくらいすればいいですか?
長時間行う必要はありません。1日5分でもよいので、毎日継続することが大切です。お風呂でのハミング、通勤中のリップロール、寝る前の軽い発声など、生活の中に取り入れるのがおすすめです。
Q7. 声の調子を安定させる生活習慣のポイントは?
睡眠・食事・水分補給・姿勢・体温管理を整えることです。これらが安定すると「今日は声が出ない」という日が減り、歌いやすさも増します。
まとめ
生活習慣は、声の“コンディショニング”そのものです。
トレーニング以前に、毎日の過ごし方が歌の上達を左右している――この事実に気づくと、意識がガラッと変わるはず。
「寝る・食べる・整える」そんな一見地味な習慣の積み重ねが、**一生モノの声をつくる**土台になっていきます。
明日から、いや、今日から少しずつ、できることから始めてみてくださいね。
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