【声と姿勢の関係|姿勢で歌はうまくなる?】

「歌が上手くなるためには姿勢が大事」と聞いたことがある方も多いと思います。

でも、なぜ姿勢がそんなに重要なのか、実はよくわかっていないまま練習している方も多いのではないでしょうか。

今回は、「声」と「姿勢」の密接な関係にフォーカスしながら、歌のクオリティを高めるヒントをお伝えしていきます。

姿勢が声に与える影響とは?

歌の発声には、空気の流れ、筋肉の使い方、そして体の支えが必要です。

歌における正しい姿勢がどのように声に影響を与えるのかを解説します。



姿勢が悪いと声が出にくくなる理由

猫背のように背中が丸まった状態になると、肺や横隔膜の動きが制限され、呼吸が浅くなってしまいます。

すると、声に必要な空気の量が足りず、息苦しい発声になりやすいのです。

また、顎が前に突き出ると、喉が圧迫されて共鳴空間も狭くなり、声の響きも損なわれてしまいます。

つまり、姿勢の崩れは声の質に直結するのです。

正しい姿勢が呼吸と発声を助ける

逆に、姿勢が整っていると空気の通り道がスムーズになり、腹式呼吸もしやすくなります。

上半身が開くことで、胸郭や横隔膜が自由に動き、深く安定した呼吸が可能になります。

それが、しっかりとした発声や長いフレーズを安定して歌うことに繋がります。

また、姿勢を正すことで自然と体幹も働き、発声を支える力が生まれるのです。

姿勢の基本|どこを意識すればいい?

このセクションでは「じゃあ実際どういう姿勢が正解なの?」という疑問に答えるべく、
体の各部位のポイントを具体的に説明していきます。



姿勢を整えて歌が上手くなるボタン



腰と下半身

まず骨盤を立てましょう。

横から見るとわかりやすいです。

骨盤は上半身と下半身をつなぐ大きな骨です。

そのため、骨盤が前傾(反り腰)もしくは後傾してしまうと全身の骨のポジションがずれてしまいます。

前傾しやすい人は、お尻の穴を全力で閉じてみてください。

そうすると、真っ直ぐの位置に矯正しやすいです。

後傾しやすい人は後ろで手を組んでみてください。

左右の腕の肘を持つようにするとより骨盤が真っ直ぐ立ちやすくなると思います。

下半身はテニスの構えをしてみてください。

この時の腰の曲げ方ですが、背骨と骨盤は形を変えず、大腿骨の付け根の位置から曲げてみてください。

そうすれば体幹を上手く使うことができるようになると思います。

重心は土踏まずより前に行くように調整してみてください。

背骨と肩

背骨は腰から首まで繋がっています。

上記の方法を試していただければ、腰から胸あたりまでは綺麗に背骨の形を保てると思います。

あとは背骨の上半分ですね。

巻き肩、もしくは鳩胸だと肩の位置がずれてしまい、背骨のカーブが不自然になってしまいます。

すると、使わなくていいはずの肩や首の筋肉を使うことになります。

それが歌いずらい原因になることがよくあります。

肩の位置は横から見た時に、耳の真下あたりに来るようにすると、力みづらくなります。



首と顎

首は基本、声帯とそれをコントロールするための筋肉以外使いません。

なのでそれ以外の筋肉を使っていると疲れやすくなってしまい、姿勢が崩れる原因になります。

できるだけ楽にしていてください。

また頭を支えられず、頭蓋骨が前後に滑り落ちている方もよく見かけます。

棒付きキャンディーのように背骨の真上に頭が来るとさらに力みづらくなります。

顎は上を向いたり下を向いたりしないよう、真っ直ぐ前を見たポジションで設定します。

また、食いしばり癖などがあると顎を閉じる筋肉が発達します。

すると「開ける」ことの方が大事な歌においては不利になります。

できるだけ力を抜いて「下顎はたまたまくっついてるだけ」のように扱ってあげるとうまくいきやすいです。

姿勢を整えるための簡単エクササイズ

ただ「まっすぐ立つ」だけでは難しいもの。

そこで、日常やレッスン前に取り入れやすいエクササイズや意識づけの方法を紹介します。



体の軸を確認する

寝転んでみてください。

頭、肩、腰のどこかがつかない場合は、姿勢が崩れているサインです。

正しい姿勢を体に覚えさせる第一歩になります。

骨盤まわりをほぐす

腰回りや股関節が硬いと、骨盤が自由に動かず、姿勢が固まりやすくなります。

少し伸びをして、前屈などを歌う前に数分でも取り入れてみてください。

首や肩をほぐす

首や肩を、運動前と同じようにストレッチしておくのも有効です。

回したり、少し引っ張ったりしながらほぐしておくと、「リラックス」と「正しい姿勢」を共存させやすくなります。

また、温めるのもいい方法なので、冬場はホットドリンクを飲んだりカイロを当ててみてください。

顎をほぐす

ものを噛むための筋肉は、顎から頭の方までくっついており耳の真上あたりまであります。

顎が開けづらいことで胸周辺まで力みやすくなり、姿勢が崩れることもあるので、ここもほぐしておきましょう。

手のひらの下の方(手首に近い場所)で耳の真上あたりを優しくクルクルと押してあげると顎が楽に開きやすくなりますよ。

軽い発声練習と姿勢のセット練習

正しい姿勢を取りながらハミングなどの軽い発声を行うことで、「姿勢と声のつながり」を体で覚えることができます。

姿勢を変えると声も変わる、その実感を得るための練習です。



姿勢を整えて歌が上手くなるボタン



声と姿勢をつなぐ“意識”の持ち方

どれだけ知識があっても、意識して使えなければ意味がありません。

このセクションでは、日々の練習や本番で姿勢と声を結びつけるためのマインドの持ち方を紹介します。



声は体全体で鳴らす楽器

喉だけで声を出そうとすると力みやすく、音も硬くなりがちです。

体全体を使って鳴らす意識を持つことで、声はもっと自由になります。

その楽器である「体」を使いこなすつもりで歌うようにしましょう。

本番で声がいつも通り出ない時は

緊張すると無意識に体が縮こまり、姿勢が崩れてしまいます。

そんな時こそ深呼吸をして、足元・背筋・顎を意識しましょう。

「姿勢を直せば声も戻る」と覚えておくだけで、本番での安心感が違います。

習慣化で“姿勢が声を変える”実感を得る

正しい姿勢は一朝一夕で身につくものではありません。

普段の生活の中でも姿勢を意識して過ごすことで、自然と歌にも反映されていきます。

ふとショーウィンドウに写った時には姿勢を戻してみる。

歩く時に足の出し方を考える。

自分の崩れやすいポイントを把握しておく。

など、トレーニングのひとつとして「姿勢」は取り組みやすく、結果に繋がりやすいものです。

しっかり意識しながら生活してみてください。

よくある質問Q&A:声と姿勢の関係

Q1. 姿勢が悪いと本当に声は出にくくなるのですか?

A. はい。猫背や顎が前に出た姿勢は、肺や横隔膜の動きを制限し、呼吸が浅くなります。

その結果、声に必要な空気の量が不足し、響きや伸びが損なわれやすくなります。

Q2. 歌うときに正しい姿勢ってどんな姿勢ですか?

A. 骨盤を立て、背骨を自然なカーブで保ち、肩や首の力を抜いた状態が理想です。

横から見た時に耳・肩・腰・足首が一直線に並ぶよう意識すると、呼吸と発声がしやすくなります。

Q3. 具体的にどの部分を意識すればいいですか?

A.

  • 腰・下半身:骨盤をまっすぐ立て、重心を土踏まずより少し前に。
  • 背骨・肩:耳の真下に肩がくる位置を意識。
  • 首・顎:力を抜いて、真っ直ぐ前を見たポジションで保つこと。

Q4. 本番で緊張すると姿勢が崩れてしまいます。どうすればいいですか?

A. 深呼吸をして体をリセットし、足元・背筋・顎を順番に整えると安定します。

「姿勢を直せば声も整う」と覚えておくと、本番での安心感が違います。

Q5. 普段からできる姿勢改善の方法はありますか?

A. 壁に背中をつけて頭・肩・腰が同時に当たるか確認する「壁立ちチェック」や、股関節・肩・首・顎のストレッチが有効です。

日常生活でも意識することで自然に姿勢が改善され、声にも良い変化が現れます。

Q6. 姿勢を直すと歌はどれくらい変わりますか?

A. 正しい姿勢は呼吸の深さ、声の響き、安定感に直結します。

特に長いフレーズや高音が楽に出せるようになるなど、歌のクオリティが総合的に向上します。

まとめ

声を変えたければ、姿勢から。

これは決して大げさな表現ではありません。

正しい姿勢は、声の質、通り、持続力にまで影響します。

まずは今日から「立ち方」を見直してみましょう。



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