巻き舌ができない人の特徴とは?〜原因と練習のヒント〜
巻き舌(トリル)は、発声や滑舌練習として非常に有効なテクニックですが
「できない…」と悩む方は少なくありません。
実はこの巻き舌、ただの“舌の運動”ではなく
いくつかの要素が複雑に絡み合っています。
舌の筋力が弱い・使い方がわからない
巻き舌は「舌先を細かく振動させる」ことでできます。
これができない理由の一つは、舌の筋肉がうまく使えていない、
または筋力が不足している場合です。
また、舌を柔軟に動かす感覚が日常生活であまり養われていないと、
そもそも「振動させる」ための動作指令自体がうまく出せないこともあります。
特に、日本語話者にとっては巻き舌を使う場面が少ないため、
筋力というより「運動経験の不足」の影響が大きいかもしれません。
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息の出し方が合っていない
もう一つの大きな要素が「息の使い方」。
巻き舌には、一定の息の流れと圧が不可欠です。
これが弱すぎると舌が動かず、
強すぎると口周辺が力みやすくなってしまいます。
また息がさまざまな方向に分散してしまうと、まとまった息が吐けなくなり
舌に息が当たらなくなってしまいます。
つまり、腹式呼吸や息のコントロールが不安定な場合、巻き舌にも影響が出ます。
ボイストレーニングで呼吸の基礎を学ぶ意義がここにもあります。
巻き舌を上達させたい人用ボタン
緊張や力みが強すぎる
巻き舌ができない人に共通するもう一つの特徴は、
「口や喉、顔まわり全体の緊張」が強いことです。
舌は非常に繊細な器官なので、周辺が力んでいるとうまく動かすことができません。
特に歌の練習中は、「うまくやろう」と思うほど無意識に力が入りがちです。
力を抜くことは簡単なようでいて、意識しないと難しい作業です。
巻き舌ができない理由がわかったら、次はそれを一つずつ解消していく段階です。
焦らず、楽しみながらチャレンジしていきましょう。
「できた!」の瞬間は本当に嬉しいものですよ。
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巻き舌のヒント
巻き舌をできるようにするために、ポイントを分けてご説明します。
「これはできてるな」「これはできてないかもな」など
自身の現状と比較しながら見ていきましょう。
脱力の感覚を身につける
まず最初に取り組むべきは「脱力」です。
巻き舌は“力で動かす”のではなく“震える状態を作る”ことが大切です。
舌の周辺がカチコチだとまず無理です。
おすすめなのが「アホ面」でいること。
必然的に顎や舌の力が抜けるはずです。
顎や舌だけでなく、首にも力が入っていないか確認してみてください。
首に力が入っている時は、大概姿勢が崩れています。
強制的に歌いやすい姿勢にするために背中側で腕を組んでみてください。
肘と肩で綺麗な四角形を作るつもりでいてください。
そうすると首周りの脱力がうまくいきやすいです。
最初は鏡を見ながら行いましょう。
舌の位置の調整方法
舌先を下の歯の裏に当て出るとこまで舌を押し出します。
その時、上の歯と舌の間は少し空けておいてください。
その顔をキープしながら駄々を捏ねる子どものような声をしばらく出してみてください。
そうする落ちていた舌根(下の根元)が持ち上がり
舌の長さに余裕が出て、響きや滑舌が良くなります。
次に舌先が緊張して固まっていると上手く振るえないので、舌先の力を抜きます。
強制的に脱力させるためには、舌を疲れさせるといいので
口の中で疲れるまで、ぐるぐる回したり、動かしてみてください。

巻き舌を上達させたい人用ボタン
息の流し方を調整する
巻き舌は「息の質」で大きく変わります。
強すぎると押し倒してしまい、弱すぎると震えません。
最適なのは、腹式呼吸でコントロールされた「安定した持続的な息」です。
また、「息の向き」も重要な要素です。
左右に分散してしまったり、まとまりが弱いと上手く振るえません。
正しい息の向きは上顎の真ん中をまとまって伝うような感覚です。
お腹を殴られて「う゛っ…」となった時と同じ位置を空気が通ります。
息にした時、わかりづらくなってしまったら「kh」というつもりで
息を流してみるといいかもしれません。

よくある質問 Q&A
Q1. 巻き舌が全然できません。才能がないんでしょうか?
A. 才能ではなく「経験不足」や「力のかけ方の問題」であることが多いです。
巻き舌は、生まれつきできる人もいますが、できないからといって諦める必要はありません。
舌の筋力や息の使い方、脱力などのポイントを押さえれば、誰でもできるようになる可能性があります。
Q2. 舌を震わせようとしても、全く動きません。何が原因ですか?
A. 舌の筋力不足・舌先の緊張・息の流れの問題など、複数の原因が考えられます。
舌が動かないのは「筋力不足」だけでなく、「正しい舌のポジション」や「余計な力み」があることも原因です。
まずはリップロールなどの練習で“震える”感覚をつかむことから始めましょう。
Q3. 息を強く出せば震えますか?
A. 息は「強さ」より「方向」と「持続性」が重要です。
巻き舌に必要なのは、強い息ではなく、腹式呼吸で作られた安定した息の流れです。
息の方向も、上あごの中心を通るように意識しましょう。
Q4. 舌の正しい位置ってどうすればいいんですか?
A. 舌の先端より少し奥が、軽く上あごに触れているのが理想です。
舌が下に落ち込んでいたり、喉の奥に引っ込んでいたりすると、巻き舌はしにくくなります。
正しいポジションを保つことで、舌が動かしやすくなります。
Q5. 練習中にどうしても力んでしまいます。どうしたらいいですか?
A. 脱力を最優先に意識しましょう。
舌・口・喉・首に力が入っていると巻き舌はできません。
アホ面をしてみる、背中で腕を組んで姿勢を正すなど、力みを取る工夫が効果的です。
まとめ
巻き舌ができないのは、「才能」ではなく「経験不足」や「力のかけ方の誤り」であることが多いです。
だからこそ、正しいプロセスで練習すれば、誰でもできるようになります。
脱力して 舌の位置と感覚を整えて 息の流し方を調整する
この3ステップを繰り返すだけで、少しずつ感覚が開けてくるはずです。
できた瞬間のあの「震えた!」という喜びを、ぜひ味わってください。
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